みなさんこんにちは。お元気ですか?
今回も前回に引き続き「後編」として、かつらの種類のお話をしていきたいと思います。
かつらの種類「後編」
それではまずは、「ファッションかつら」から・・・
ファッションかつら
こちらは名前の通り、ファッションを目的に造られた「かつら」です。
「ファッションかつら」の大半はレディメイドになります。
価格は数千円~数万円と「かつら」の金額としては安価に設定されています。
汎用品での流通が主で、ユーザーによっては「使い捨て」感覚のファッションアイテムとして使用している方も…。
低価格帯の「ファッションかつら」はマシンメイドで、毛材も「人工毛」を使用していることが多いのですが、最近はこの商品カテゴリーのクオリティがかなり良くなってきているようですね。
販売チャネルは、ディスカウントストアやWebサイトで販売されています。
医療用かつら
ガン治療における副作用による脱毛や、円形脱毛症の方などを対象にした「かつら」を総称して「医療用かつら」と言っています。
治療中に使用されることから、その素材は極力肌に優しい素材を使用しています。
当社が加盟している日本毛髪工業協同組合は、「医療用かつら」を安心・安全に販売することを目的に、JIS基準による性能検査に適合することを認証する「M-Wig」のマークを発行して、消費者に安心してもらえるよう各メーカーをはじめ、消費者や各自治体にも働きかけています。
自治体による「医療用かつら」の補助金を提供しているところが、増えているのはうれしいですね。
「医療用かつら」は、レディメイドとカスタムメイドのどちらでも作製が可能です。
現在では、「医療かつら」専門の販売メーカーが増えており、よりこのカテゴリーに特化したサービスを提供することで毛髪総合メーカーとの差別化を宣伝しています。
Toupee(ツーペー)
「Toupee(ツーペー)」とは、もともとフランス語で、男性の薄毛用部分かつらを指す言葉です。
このカテゴリーの仕様は様々で、レディメイドからカスタムメイド、高価格帯の商品はハンドメイドが多いです。
男性は、おでこを出して使用されたい方も多いので、フロント部分の自然さへのこだわりがあります。
最近の傾向として、至近距離からでも自毛に見える極薄ベースタイプの商品が主流になってきているようです。
ヘアスタイルも、以前のような「オールバック」や「7:3」などではなく、今時の遊び心のあるヘアスタイルをつくることが可能で、若い方は自毛感覚で色々なタイプのヘアスタイルを楽しんでいます。
販売チャネルは、毛髪総合メーカーや小規模専門店、Webサイト、理容店と幅広く販売されています。
コスプレ用かつら
こちらはご存じのように「アニメ」や「映画」などの登場人物、「有名人」などを模した髪形の「かつら」です。
最近では「コスプレ文化」は世界中に拡がっており、マーケットも拡大しています。
服装のコスプレをしたら、やはりメインは髪形です。
もはや「コスプレ用かつら」はコスプレカルチャーの「主役」といってもいいかもしれません。
今では、「コスプレ用かつら」の専門店もあり、パッションカラーなど通常では使用しないような配色の「人工毛かつら」や、独創的なヘアスタイルの「かつら」が陳列されていますので見ているだけでも楽しくなりますね。
「かつら」のベースは、「マシンメイド」などでつくり、毛の配色や髪形をキャラクターの髪形に似せて創り上げていきます。
「コスプレイヤー」は、自分好みのカスタムメイド「かつら」を自作・改造して楽しんでいる方も多いようです。
この分野は、今後の「かつら」の可能性や将来性を考えると、とても楽しみなカテゴリーです。
和装かつら
日本の伝統的な「かつら」の歴史はかなり古く、平安時代からとも云われています。
現在「和装かつら」を使用するのは、結婚式や映像、舞台演劇などの時代劇向けに用いられています。
製造販売するメーカーも、主に結婚式向けに流通させている会社と、メディアや舞台向けに流通させている会社に分かれているようです。
「和装かつら」の製造は、やはり日本文化ということもあり海外ではなく、日本国内で職人が手作業で作製しており、専門的な知識と技術が必要になります。
何度か、歌舞伎の床山さんや映像舞台専門のメーカーを見学をさせて頂いた事がありますが、職人さんの仕事はまさに日本ので伝統技法による、貴重な”技(わざ)”ですので、今後も是非受け継がれていってほしいと思いました。
結婚式向けの「女性用日本髪かつら」は、現在も和装での結婚式が根強い人気を保っていて、各メーカーから現代向きのトレンドに合わせた「和装カツラ」が提案されています。
人気の「文金高島田」は小顔効果もあるようで、実際に装着した花嫁さんを見ると、実に美しく厳かな雰囲気で圧倒的な存在感を放ちます。
女性用の「和装かつら」は、「人毛」で作製するとかなりの重量になり価格も高くなるので、現在では「人工毛」を使用して製造しているメーカーもあるようです。
まとめ
一口に「かつら」といっても、様々な種類や用途のものがありますね。かつらの長い歴史の中で役割に応じて少しづつ進化してきているようです。
これからも人々のニーズに応え、新しい分野での「かつら」が創造されるかもしれません。
新たな「かつら」の可能性を楽しみにしております。