ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
粘着剤試作の約束を取り付けてから数カ月が経ち、サンプル製造完了の一報が入ってきました。
この時、新たに連絡をいただいた人が前回対応した企画室のマネージャーから業務を引き継ぎ今後当社の窓口担当として就くことになることも同時に聞かされました。
ここからヘアコンタクトの製品化において商品価値を大きく左右する粘着剤完成までの試行錯誤がスタートすることに。
そして結果的にこの新しい方が担当してくれたことで製品の実現化が進むことになるのです。
話をサンプルに戻し、持参いただいた粘着剤サンプルをヘアコンタクトの裏面に実際に塗布してみたところ我々の望んだ通りのかたちでできあがりました。
長きにわたってあれこれと遠回りもしながらでしたが、粘着剤開発が軌道に乗った瞬間です。
これでヘアコンタクト製造の重要パーツが一通りそろったことになったのです。
しか――――し、ヘアコンタクトが世に出るまでには、まだまだいくつもの大きなハードルが待ち受けていたのです。
粘着剤の塗布に成功したことにより、粘着剤メーカーとの共同開発の書面が正式に取り交わされ、粘着剤の性能検証へと入ることになります。
今回協力いただくことになった粘着剤メーカーは、すでに多くの医療用製品向けに粘着剤を製造しているため、皮膚への治験データを多く保有しています。
そのため、使用する粘着剤の最重要課題である安全性に関しては高い水準で作られています。
実際サンプルで作成されたものも、すでに皮膚用に使用している粘着剤を元に作製されていましたのですぐに肌に貼ることができました。
ヘアコンタクトの製品化において商品価値を左右するもう一つの要因は粘着剤の耐久性。
使用期間がどのくらいなのか、長期使用において粘着剤がどのように変化していくのかを確認しなければなりません。
担当者曰く、長きにわたって皮膚用の粘着剤を製造してきているため、様々な箇所の皮膚への検証データは数多く保有しているのだが、皮膚は皮膚でも頭皮へ使用した検証データだけは全くないとのこと。
研究開発部門に依頼して自社以外、海外も含めて探してみたのだが、頭皮への粘着剤使用データはどこにも見当たらなかったというのです。
なので、実際に頭皮に使用してみないと現時点でどのくらいの性能になるのかは未知数ということでした。
ヘアコンタクトは単なる薄いカツラではありません。
見た目が自然であることは当然で、触られても気づかれず髪が地肌から生えたようであること。
それには頭皮と一体化することが前提で、なおかつ一定期間はシャンプーしても運動しても大丈夫といった商品コンセプトを基本に開発を行っていました。
なので、製品としての価値は粘着剤の能力にかかっているのです。
粘着剤メーカーもまだやったことのない頭皮への吸着力限界チャレンジがスタートしました。