“無謀な選択!?”《第2章》
ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
前回からの話の続きになります!
前回の記事はこちら
https://propia.co.jp/blog/propia-development-of-haircontact-10
来社したスプレーガン製造会社の担当者を出迎え、応接室へとご案内し、一通り自己紹介を終えたあと、本題へと移ります。
ヘアコンタクトに使用する予定の超極薄フィルムを見せながら、「このフィルムにスプレーガンを使って粘着剤を塗布したいのですが」と用途目的を説明します。
担当者からスプレーガンの種類や説明を受け、用途に合いそうな候補をあげてもらったうえで試作用に器材の貸し出しが可能かを確認したところ快くOKをいただけました。
気持ち悪いくらい話がとんとん拍子に進みます。
ところが順調に進んでいたのはここまでで、先方の次の話から雲行きが怪しくなってきたのです。
『粘着剤塗布の試作作業はどちらの場所で行うのでしょうか』
「今の時点ではこちらの本社内にある事務所の1室を使って行おうと思っています」と答えたところで急に担当者の顔色が曇りだしました。
『お見せいただいたフィルムに粘着剤をエアーガンで塗布していく作業は通常の事務所内で行うことはまず無理です』と一言。
「えっ?・・・・なぜでしょうか」
『失礼ですが製造加工の塗装現場等を実際にご覧になったことはありますか』
「いいえ」
『工場等で行う塗装作業のスペースはとても劣悪な環境下に置かれてしまいます。大量の粒子が空気中に飛散しますし、人体に有害な物質などが材料に含まれていたら更に注意が必要となります。ですので、作業を行うスタッフは防備等をしっかり施し作業時間もキッチリ管理したうえで行っています。このような状況から最近は人の手ではなくロボットなどの機械を使って行うところも増えてきているんです』
「そうなんですか」
『ですので実際に作業を行う場所では空調などを含めしっかりとした設備が用意された空間が必要なため、こちらのビル内で試作するということはできないと思います』
その当時は、まだ自社工場も持っていなかったため環境を整えるような場所も当てがありません。(またもや専門知識が無かったが故に…)
さて、どうしようかと悩んでいたところ担当者の方から『当社の設備を使って試作してみましょうか』と救いの言葉が。
「よろしいんですか、助かります。ぜひお願いします」
『承知しました。では、塗布する粘着剤のサンプルをお預かりします』
ということで原料メーカーから頂いたサンプルとヘアコンタクト用に使用する予定で調達していたベースフィルムを渡して試作をしてもらうこととなったのです。
一時はどうなるかと思いましたが、とりあえず試作できることとなりホッと胸をなでおろしたのでした。
つづく…