ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
ネットベースの《つけヒゲ》を使用できないくらい毛量の少ない場合やまばらに見せる場合には、メイクの方が短く切った毛髪をピンセットで一本一本肌に接着剤で付けていくといった超アナログ方法を用いて仕上げているということも聞きました。
映画やテレビといった最先端映像の分野においても特に目を引く《つけヒゲ》の技術がなかったことを知り、ヘアコンタクト技術をつかったヒゲ開発は新しいアイテムになり得ると確信したのでした。
ヒゲ開発において最も大きな課題は、頭以上に至近距離から見える位置に使用するということでした。
ベースのシートも植毛もさらに精度を上げていく必要がありました。
シートに関してはその当時試作段階にあったものをベースにして開発する方向で進めることにしました。
ヘアコンタクトのベースシートに比べて厚みをさらに1/3薄くして試作をしていきました。
より目立たなくするために肌との段差を極限まで小さくすることが目的です。
前回お伝えしたようにベースが薄くなることによって、いくつかの問題が生じてきます。
シートの反射
透明なシートの透過性を高めるために表面を滑らかにすると光を反射してしまうので表面に細かい凹凸をつけることで光を乱反射させて表面の光沢を無くします。
表面に凹凸をつけるためには一定の厚みが必要で、薄くなればなるほど条件は厳しくなります。
植毛部分の強度
ヘアコンタクトに使用しているシートは柔らかく、伸縮性があることで装着箇所の形状に追従して密着します。
シートに直接植毛しているため髪の毛の抜けを軽減するためにはシートの強度が必要となります。
シートの強度は基本的に厚みに比例して強くなります。
装着時の操作性
ヘアコンタクトは、シールのように製品に粘着剤が組み込まれているのでシートが薄くなると取り扱いづらくなってきます。
調理用のラップを思い浮かべてください。
ラップがくっつかないように扱うには注意が必要ですよね。
更にそのラップの片面に接着剤がついていたとしたら…
このような条件から頭髪用に使用することは難しかったが、面と向かった際に近い視線を受けるヒゲには超極薄シートを採用して開発することにしたのでした。
頭髪に比べサイズが小さいことも新フィルムを選択できた理由でした。
シートが変われば植毛機の調整も変わってきます。
薄くなることによって伸縮性にも違いが出るため、植毛針がシートに与える影響も変わるので、何度も植毛テストを実施してシートの選定試験を行ったのでした。
~つづく~