ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
ベースシートの選定を繰り返し行って、植毛工程の修正から試作品のクオリティが何とか基準をクリアできる段階までこじつけました。
ヒゲ用の部材の選定と同時に苦労して進めていたのは、ヒゲのデザインでした。
当時すでに多くのアーティストやモデルなどがヒゲをファッションとして生やしていましたが、スタイルに決まりは無く様々な生やし方、整え方をしていました。
もみあげからあごヒゲ、口ヒゲをつなげたり、それぞれ独立していたり。また輪郭をぼかす方法もあれば、きれいに整える方法もあります。
細かいところまで見ていったらスタイルは無限大に存在します。
当然オーダーメイドで作ることは可能ですが、遊び感覚で楽しんでもらうアイテムでなければならず、いちいちオーダーで頼まなければならないとしたら、たぶん成功はしないと判断していました。
口ヒゲ、あごヒゲともにオーソドックスな形をいくつか試作し、テスト装着を繰り返していましたが、市販化に向けてなかなか決断できない日々が続いていました。
スタイルの決定もそうですが、商品として市場で本当に受け入れられるのかに確証が持てずに時間だけが過ぎていったのでした。
というのも、平成元年に毛髪業界に参入してから基本的には個々のお客様のお悩みをお聞きし、ご状態を拝見しながらそれぞれの方に最適な商品、サービスをオーダーメイドで提供をしてきました。
実際に製品を使用される場合には、技術者一人一人がお客様の要望をお聞きしながら希望のヘアスタイル仕上げていきます。
カツラなど一部の製品はご自分で装着することができますが、技術者が行わなければ装着することができない製品が多く、多少取り扱いに戸惑うような製品でも技術スタッフが取り扱うことで問題なく、販売することができるのです。
そのため、シャンプーなど一部のヘアケア商品を除いて既製品という形で物を販売するというビジネスをほとんど経験していませんでした。
今まで培ったオーダー商品とは全く違う感覚で商品開発しなければなりません。
やはり販売するにあたっては、メーカー自身が商品に自信を持っていなければなりません。
そんなこんなでなかなか商品化に踏み込めない状況の中、一気に発売に向けて動き出すきっかけとなる出来事が・・・
~続く~