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毛髪の色について 「髪レポ」シリーズ Vol.12

こんにちは。今回は、毛髪商材(かつら、ヘアエクステ、ヘアコンタクトなど)の毛色についてお話をします。

人の毛色は、メラニン色素の種類、量やそのバランス、また遺伝や年齢によって決定されます。毛髪商材は使用者の毛色になるべく合わせて使用するのが一般的です。

毛髪の色の種類

毛髪商材の毛髪の色は、東洋人や欧米人など様々な国や地域のニーズに合った色を選択することが可能です。

また、コスプレ用のウィッグなどに使うパッションカラーなど自然毛にはないカラーも選択できます。

同一人物の髪の毛でも、全て同じ色ではない

人の髪の毛を、1本1本よく観察してみると、同じ人の髪であっても、いくつかの色の毛が混在しているのがわかります。

毛髪は、単色で構成されている訳ではありません。明るい色の毛もあれば、暗い色の毛もありますし、色合いが違う場合もあります。

様々な色合いやトーンの毛が混ざって、全体的な髪の色が出来上がっています。

なので、かつらなどの毛髪商材も同様に、単色だけの毛で構成すると全体的に不自然なニュアンス(色合い)になってしまいます。

毛髪商材を自然な色合いにするためには、複数の色の毛を混ぜてカラーを作り上げていく必要があるのです。

通常、かつらを注文する際にはカラーチャートに自毛の色を照らし合わせて、かつらの色決めをしますが、このカラーチャートも基本的には、いくつかの色の毛を混ぜてひとつの色を作っています。

人毛の毛髪商材の場合は、通常の毛染めと同じくカラー材で化学的染毛を行いますが、人工毛の場合はあらかじめ染色された毛を混ぜ合わせて一つの色にします。

人工毛のカラーチャートは使う素材(ポリエステルやアクリルなど)によって、色の発色の仕方が変わるので、素材別にカラーチャートを作製します。

同じ素材(例えば同じポリエステルでも)の商品でも、組成や色素に若干の違いがありますので、この場合もまた、カラーチャートは各素材ごとに作製しなければなりません。

光の反射

人工毛はまた、キューティクルに似せるために表面加工を施してありますが、光の反射は「太陽光」と「室内光」では色の見え方が異なります。

同じ「室内光」でも「蛍光灯」と「白熱電球」ではこれもまた色の見え方が異なります。

よって、新しい人工毛を開発するときには、様々な光源を人工毛に当てて、光源が変わっても色の見え方に大きな差がでないように検証する必要があります。

白髪について

年齢を重ねてくると、自毛には白髪が増えてきます。

毛髪商材にも年齢や自毛の白髪量に応じた白髪を加えることが出来ます。

白髪の量は、その人のイメージを大きく左右しますので、細心の注意が必要です。

頭の横の部分は「かつら」などをかぶせないで、自毛を利用することが多いのですが、その部分は頭頂部より多く白髪が生える傾向がありますので、その量を基準に毛髪商材を作製すると、年齢より年取ったイメージになってしまいます。

横の白髪がある程度多くても、頭頂部やフロントは少なめの白髪にした方が、より若々しい雰囲気を醸し出すことになります。

また、白髪の割合が多い毛髪商材を選ぶときは、同じ白髪でも「青味がかった白髪」や「クリーム調の白髪」など、色のニュアンスによってお顔のイメージが変わりますので、これも慎重に選ぶことをお勧めします。

欧米人の毛色

東洋人やアフリカ系の髪色に比べ、欧米人の毛色はブロンズや赤毛、茶色など多くの種類のカラーでの対応を求められます。

なので、欧米市場に出荷するメーカーは、アジア市場に比べて、在庫種類を多く持つなど、より多くの対応をする必要があります。

まとめ

人工毛の色は、繊維や絵の具などと同じく、原材料や配合量によって微妙に色のニュアンスが変わってしまいます。

オーダー時の色の選定も非常に大事ですので、色決めは慎重に行う必要があるのです。

お客様とのトラブルを回避するために、サプライヤーや販売メーカーは、毛色評価を定量化するなど、日々努力を重ねています。

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