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新しい素材との出会い⑱~究極の密着素材~

ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。

 

ヘアコンタクトは様々な角度から検証、試作が繰り返されていたのですが、粘着剤メーカーの担当者から粘着剤の共同開発をスタートさせるにあたって言われていたことがありました。

それは皮膚用粘着剤を長期密着させるには、汗と脂(皮脂)の対策を考えなければならないということ。

 

 

・夏場に湿布を貼ってペロンと剥がれてしまった。

・おでこに絆創膏を貼ると他のところに比べて早くはがれてしまった。

・1日も持たなかった。

なんて経験が皆さんもあるかと思います。これらは汗や皮脂が粘着力を落としてしまうためです。

肌に貼った時にその後に出てくる皮脂や汗が皮膚と粘着剤の間に溜まってしまった場合は簡単に剥がれてしまいます。

なので、長期使用させるためには皮脂と汗を滞留させずに素早くどこかへ逃がさなければなりません。

というわけでヘアコンタクトの粘着剤は皮脂、汗を粘着剤が吸収するように作っていったのです。

 

 

開発当時にヘアコンタクトが目指していた連続使用期間は短くて1週間、平均で10日以上が最低条件でした。

頭皮は体の皮膚の中でも皮脂の分泌量が非常に多い箇所になります。

そのことを踏まえると粘着剤メーカーに対して我々が要求しているスペックは無茶振りにも程があったな、と今になっては思います。

若干専門的になりますが粘着剤の樹脂はポリマーという高分子が集まってできています。

このポリマーが汗や皮脂などの影響で少しずつ壊れる(可塑化する)ことにより粘着力が低下します。

分かりやすく説明すると粘着剤が柔らかくなり“ねちゃねちゃ”した状態になっていき、少しの力でもズレたり剥がれたりしてしまいます。

指に巻いた絆創膏が最初はしっかりとついているのに、時間が経つとスポッと抜けてしまったりしますよね。これが粘着剤の可塑化です。

粘着力を長く維持させるためには、この可塑化をいかに少なく、遅くさせるかが肝になります。

 

 

ポリマーという高分子が短いと早く壊れてしまい、長くすれば壊れるまでの時間を稼ぐことができるため可塑化を遅らせることができるのですが、長くするほど基本的に粘着剤は固くなっていく傾向にあります。

粘着剤が固くたって長く持てば良いじゃないかと思えますが、この硬さというのが結構厄介なのです。

硬くなると何が問題かと言いますと最初の肌へのつきが悪くなります。

ネバネバ感が少ないと思っていただければわかりやすいでしょう。粘着剤の初期タックが弱いという言い方をします。

粘着剤というのは一般的につけた直後よりもしばらく時間が経過したほうがくっつく力が強くなります。

ヘアコンタクトに使用している粘着剤も装着後30分程度してから更に強くなっていきます。

とはいえ時間が経てば強くつくとしても、装着してすぐに取れてしまうことがあってはなりません。

そのため長期間持たせるためといえども初期タックを弱くするということは選択できません。

目標スペックを維持したうえで最初の付きも良いバランスで製造することは容易ではありませんでした。

 

~次回へ続く~

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