ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
ヘアコンタクト製造において粘着剤単体での提供が不可欠であることを理解いただくためには必要と判断し、初めて、提携の約束をしていない会社に対して製造方法を含めた開発詳細を開示する決断をしました。
植毛機の開発から話し始め、現状の植毛方法に至るまでの経緯を現在試作中の植毛機の画像も見せながら行っていきます。
超極薄のフィルムに植毛機で髪の毛を植え、専用の固定剤で髪の毛とフィルムを接着させた後に衛生面と安全性を踏まえて洗浄するという工程がどうしても必要であること。
そして乾燥させたうえで最終工程において粘着剤を塗布することを説明していきました。
単なる構想レベルの話ではなく製品化の可能性やすでに部材提供などを受けている会社の話を交えて事業としての現実性をしっかりと伝えることと、最終工程の段階で粘着剤塗布することが他製品との差別化や特性の違いを作る重要な要素であることを分かってもらうことで協力を懇願したのです。
こちらの説明が終わると今まで話を聞いていた二人が一旦退席し、しばらくしてから戻ってきました。そして一つの提案をされました。
それは植毛したヘアコンタクトの裏面に粘着剤のみを塗布できる形態で提供することは技術的には可能であるとのこと。
しかし今までにその方法で製造した粘着剤を供給した実例が無いので、まずは試作を行った上でまた連絡させてほしい、ということでした。
八方ふさがりだった我々にしてみれば大変ありがたく、即お願いすることとしました。
その時点では何一つ実現したものは無かったのですが、対応してくれたマネージャーの表情を見て 〈これはきっとうまくいく〉 と何故か安心して提案を聞いていました。
その後は、開発の話から離れてしばらく雑談しながら時間は進み、そろそろ失礼させていただくことになり、最後に毛髪業界関係の会社との取引があるかどうかを確認させていただいただきました。
すると、以前に競合他社から何回か話はあったが、実際に取引まで至ったところは無いということでした。
たとえ取引があったとしてもお願いするつもりでいたのですが、そんな心配も払しょくされたことが、さらにこの粘着剤開発が好転していく予感を強めていったのでした。
駅に戻って改めて先ほどまでいたツインタワーを振り返ると、ほんの数時間前に駅に降り立って見上げたビルからは圧迫感と緊張感しか伝わってこなかったのに、その時にはビルの大きさを再確認すると同時に何となく親近感のある建物として見ることができたのでした。
そして 〈きっとこれから私はこのビルに何度も足を運ぶことになるんだろうな〉 と思い、改札を通って帰社の途についたのでした。