ど~も、ヘアコンタクト開発担当です。
スプレーガンによる塗布方法が完全に行き詰ってしまったヘアコンタクト用粘着剤開発なのですが、今回の経験を踏まえて自社で専門知識を持った技術者と研究設備を一から揃えて開発するという道が無いわけではありませんでした。
しかし並行して進んでいる開発項目との兼ね合いで期間も費用も見通しのつかない状況でスタートするという選択は考えられませんでした。
またふりだしに戻ったのであれば、最初と同じ方法からスタートしようということになり、前回収集して連絡したリストを使って粘着剤・接着剤メーカーへのアプローチをもう一度始めたのでした。
当時の我々は専門知識を持っている所に頼らざるを得ないと実感したからでした。
電話対応してくれる担当者が前回と別の人なら改めて最初から説明をし、同じ相手であればしつこいと思われようが何とか理解してもらえるよう説明することを何社も繰り返し行ったのでした。
そして、ある会社に電話した時でした。電話に出た担当者の方から
『以前もお電話いただいた方ですよね。電話を切った後に御社の広告を見て気にはなっていたんですよ』という返答が。
(当時、プロピアは主に写真週刊誌や新聞等に増毛(ミクロアップ)や育毛の広告を出していたのです)
「覚えてていただきありがとうございます」
『前回連絡いただいた時はお断りしたのですが、一度お会いしてお話をお聞きしましょうか。お役に立てるかどうかはお約束できませんが』
「ありがとうございます。ぜひ詳しく説明させてください」
ということで会社に伺うことになりました。
お会いできることになった会社は、粘着剤メーカーを下調べしていた際に以前私が勤めていた会社のツテを使って教えてもらった医療用絆創膏等のOEM製造における大手企業だったのです。
“このチャンスを逃すことはできない。何としてもヘアコンタクトの粘着剤供給先を見つけなければならない”と、強い覚悟で乗り込む必要がありました。
そこで当時社長と相談をして今まではヘアコンタクトの開発内容を明かすこととなく交渉事を進めてきましたが、今回の交渉については開発経緯も含め詳細をすべて相手先に話して進めようということにしました。
本来であれば事前に先方の取引先に競合する会社等の有無を確認するのですが、その確認も一切行わずに面談することとしました。
我々の意図を包み隠さず伝えることと製品実現への思い、可能性を感じてもらうことで何とか協力を取り付けたいという思いからでした。
場合によっては開発情報が外部に流出する恐れがあるということも承知の上で交渉へと向かったのでした。
~つづく~